スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
親鸞聖人のご恩に報謝する「報恩講」は、700年にわたり大切に営まれてきた法要。氷見市中田の妙願寺さんで、その一部を特別に体験させていただきました。
法要の開始を告げる鐘の音がお堂に響き渡ります。
まずはご住職方が、「阿弥陀如来、釈迦如来、諸仏方」の入道場を請われます。
「散華(さんげ)」と呼ばれる、蓮の花をかたどった紙片が撒かれ、その場を荘厳。
今回は市内の5人のご住職が集まって下さる。実際の報恩講でも、各お寺に応援に出向き、互いにお手伝いするのだそうです。
親鸞上人の作られた「正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)」をお勤めいただく。
私たちがイメージするお経とは少し違い、歌のように音楽性のあるものでした。
なんと、元コーラス部のご住職が2名いらして、お声の良いこと!
法要の後、清水朗、嵩尾憲昭、寺西良夫ご住職たちから、お話をうかがう。
大飢饉や災害でなす術もなく多くの人が死んでいく、浄土真宗が生まれた当時の時代背景や、「他力と自力」のお話など、分かりやすくご説明いただきました。
「阿弥陀さまの光によって、不完全な自分を思い知り、自分を深く見つめる」ことにつながるのが浄土真宗の教え、と嵩尾ご住職の言葉が印象的でした。
こちらは、「お斎(とき)」と呼ばれる報恩講の精進料理。それも今は仕出し弁当が主流な中、「割合(わりごう)」と呼ばれる塗りの器が使われ、地域の門徒のおかあさんたちがお料理をされるのは、全国的には珍しいことだそうです。
ちゃんとお品書きまで!10種類のおかずの中には、親鸞さんがお好きだったという小豆の入ったお味噌汁(甘くはありません)、地元の食材(赤ズキ:里芋の茎、臭木の葉、等)を使った郷土料理も。
一品一品、丁寧に作られたことが伝わってくるお料理たち、そしてとても美味しかったです!
参加者からの質問タイム。最初に比べたらだいぶ打ち解けた雰囲気の中、質問、意見が飛び交います。やはり食事を共にするというのは大事ですね。報恩講では必ずみんなで食事をする、というのもうなずけます。
「過疎化、宗教離れなどの問題の中、お寺をどう存続させてゆくのか?」の質問に、
「お寺という形を残すことは二の次。『教え』をどう残すかが重要」と、ご住職方。一同ハッとする思いがしました。
そして、こちらがお料理を作って下さったおかあさんたち。
どれだけの時間と手間がかかったことでしょう。。
東京からの方を含め参加者のほとんどが「報恩講」初体験でしたが、綿々と受け継がれてきた教えや人々の思いの一端を体感させていただいたように思います。
ご住職さんたち、おかあさんたち、本当にありがとうございました!
2日目は、立山連峰も見渡せる快晴の中、里山整備のお手伝い。
こちらは、梅谷の郷でみんなで作ったツリーハウスからの眺め。
多様性のある森作りのために、広葉樹(クヌギ、コナラ、クリ、ヤマボウシ)を植樹。梅谷の郷を整備・管理されている高野さんから、苗木の植え方を教わります。
冬越えのため、苗を支える竹をわらを使って結びます。わらであれば、自然に朽ちますね。
植樹40本、完了〜!
ここがどんな森になるのか、3年?5年後?が楽しみです。
お腹をすかせて戻ってきた私たちを待ち受けていたのは、釣りたての「アオリイカ」!
ヒミングサポーターの野寺さんが朝釣ってきて下さいました。緑の斑点がまだ光っているのは新鮮な証拠。。
里山の小屋で囲炉裏を囲んでご飯。後ろではイカをさばき中。
本日のメニュー:クリームチーズとキノコのソテーをのせたトースト、野菜たっぷりスープ、アオリイカの刺身、おでん、リンゴのコンポート、里山の薬草茶。
午後からは、石川との県境にほど近い谷あいの集落「床鍋」へ。
おばあちゃんたちは、高岡の関野神社に奉納するためのしめ縄作りの真っ最中。
龍がとぐろを巻いているみたい!
これは本当に2012年!? タイムスリップでもしたような。。
本日の先生、地域でも名人と言われる中沢さん。
笑顔がとってもチャーミング。
中沢さんの作品、鶴と亀。細かい細工が見事です。
ツアーを通じて作った田んぼでとれた藁。
長さもあり、色もきれいでよいわらだ、と褒められ、嬉しくなる。
しめ縄(太さは均一)の作り方を教わります。
普通は右方向によりをかけますが、「神事」は左よりなのだそう。おばあちゃんたちは、わら1本も無駄にしないように、大切に扱います。
束を3つに分け、まずは2本をねじり合わせます。その後、もう1本を合わせたら、縄になります。
中沢おばあちゃんの魔法。手の中から藁縄が生み出されてゆくようです。
それぞれをよりながら、ねじる、を同時に。どれだけ見ても分からないほどの早業。。
作業の合間のおやつとおしゃべりも楽しみの一つ、とおばあちゃんたち。
さあ、いよいよ飾り付け。
こちらも先日氷見の里山で採った素材たち。
クリスマスリース、お正月飾り。
それぞれの個性溢れる素敵な作品ができました。
秋の風景をバックに、作品を持って記念撮影。
中沢さん、おばあちゃんたち、また教えて下さいね。ありがとうございました!
報恩講、お斎、わら細工、どれも私たちは未来に引き継いでゆけるでしょうか?
手間とヒマを惜しまない手仕事、大切にしていきたいですね。